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IT導入補助金2023

2023年度のIT導入補助金の概要や手順

補助金
IT導入補助金2023の説明

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、経済産業省 中小企業庁が主体となって行っている、中小企業・小規模事業者を対象とした補助金です。
目的としては以下のように記載されています。

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。



引用:IT導入補助金2023

上記の通り、一部の条件はありますが、IT化によって生産性向上を図りたい中小企業・小規模事業者を対象に業務効率化・売上アップに繋がるようなITツールを導入する際の経費を最大で450万円まで補助する補助金制度です。


またIT導入補助金2023年は、昨年と比較してデジタル化基盤導入枠の補助下限額が引き下げられました。この変更の目的は、2023年10月1日から始まる適格請求書等保存方式(インボイス制度)対応の安価なITツールにも補助金が活用できるように補助金の下限額が撤廃されました(デジタル化基盤導入類型)。
2023年10月から始まるインボイス制度に関連する対策は、避けては通れませんので、是非この機会にIT導入補助金のご利用をご検討下さい。


2023年度のIT導入補助金は、以下の4種類があります。


  • 通常枠(A・B類型)
  • セキュリティ対策推進枠
  • デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)

それぞれの枠で補助対象や補助率、補助の上限額が異なってきます。
詳細は以下でご紹介いたします。

補助額

通常枠(A類型・B類型)

種類 通常枠
A類型 B類型
補助額 30万~150万円未満 150万~450万円以下
補助率 1/2以内
プロセス数 ※1 1以上 4以上
ITツール要件(目的) 類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、
労働生産性の向上に資するITツールであること。
賃上げ目標 加点 必須
補助対象 ソフトウェア購入費、
クラウド利用費(クラウド利用料最大 2 年分)、導入関連費

※1:「プロセス」とは、業務工程や業務種別のこと。

引用:IT導入補助金2023

ソフトウェアに含まれるプロセス

種別 Pコード プロセス名
業務プロセス 共通プロセス 共P-01 顧客対応・販売支援
共P-02 決済・債権債務・資金回収管理
共P-03 調達・供給・在庫・物流
共P-04 会計・財務・経営
共P-05 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
業種特化型プロセス 各業種P-06 業種固有プロセス
汎用プロセス 汎P-07 汎用・自動化・分析ツール
(業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア)
引用:IT導入補助金2023 ITツール登録要領

通常枠(A類型)
  • 業務プロセス【共P-01~各業種P-06】のうち1種類以上を保有すること

通常枠(B類型)
  • 業務プロセス【共P-01~各業種P-06】、汎用プロセス【汎P-07】のうち4種類以上を保有すること
  • 複数のソフトウェアを組み合わせて要件を満たすことも可能

※同じ種類のプロセスは1種類とカウントされます


ご購入予定のITツールが、上記の要件を満たしているかどうか事前にお確かめください。
詳しい機能例や注意点は業種・プロセス一覧をご覧下さい。

デジタル化基盤導入類枠(デジタル化基盤導入類型)

種類 デジタル化基盤導入類型
補助額 ITツール
(下限なし)~350万円
内、~50万円以下部分 内、50万円超~350万円部分
補助率 3/4以内 2/3以内
機能要件 ※1 会計・受発注・決済・ECのうち
1機能以上
会計・受発注・決済・ECのうち
2機能以上
対象ソフトウェア 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト
賃上げ目標 なし
補助対象 ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費
ハードウェア購入費 PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機:
補助率1/2以内、補助上限額10万円
レジ・券売機等:
補助率1/2以内、補助上限額20万円

※1:「プロセス」とは、業務工程や業務種別のこと。

引用:IT導入補助金2023

デジタル化基盤導入類枠(複数社連携IT導入類型)

種類 複数社連携IT導入類型
補助額 デジタル化基盤導入類型の要件に属する経費 デジタル化基盤導入類型の要件に属さない複数社類型特有の経費
(1)基盤導入経費 (2)消費動向等分析経費 (3)代表事業者が参画事業者をとりまとめるために要する事務費、外部専門家謝金・旅費
(下限なし)~350万円 50万円×
グループ構成員数
((1)+(2))×10%に補助率2/3を乗じた額もしくは200万円のいずれか低い方
内、~50万円以下部分 内、50万円超~350万円部分
補助率 3/4以内 2/3以内 2/3以内 2/3以内
機能要件 ※1 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上
補助上限額 3,000万円 200万円
対象ソフトウェア 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト 各種システム ※2
賃上げ目標 なし
補助対象 ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費 ソフトウェア購入費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費
ハードウェア購入費 PC・タブレット等 ※3:
補助率1/2以内、補助上限額10万円
AIカメラ・ビーコン・デジタルサイネージ等
レジ・券売機等:
補助率1/2以内、補助上限額20万円

※1:該当する機能の詳細はITツール登録要領を参照

※2:対象例(消費動向分析システム、経営分析システム、需要予測システム、電子地域通貨システム、キャッシュレスシステム、生体認証決済システム等)

※3:PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機

引用:IT導入補助金2023

導入費用例

IT導入補助金が採択された場合、どのくらい負担額が減るのか例をご紹介いたします。


通常枠(A類型) 通常枠(B類型) デジタル基盤導入類枠

対象者

中小企業・小規模事業者

業種・組織形態 資本金 従業員
(資本の額又は出資の総額) 常勤
資本金・従業員規模の一方が、下記以下の場合対象(個人事業を含む)
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人
その他の法人
医療法人、社会福祉法人、学校法人 - 300人
商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 100人
中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体 主たる業種に
記載の従業員規模
特別の法律によって設立された組合またはその連合会
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)
特定非営利活動法人

小規模事業者の定義

業種分類 従業員
常勤
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下
引用:IT導入補助金2023

上の表のように、ほとんどの中小企業や小規模事業者が補助金の対象となります。
詳しい詳細条件はこちらをご覧ください。

IT導入補助金2023 対象ITツール

対象ソフトウェア(2023年 ITツール登録済)

システム名 システム説明 補助対象
Venus Cloud LIVE SFA(営業支援)/ CRM(顧客管理)グループウェア(社内情報共有) / 販売管理 / 商品管理 / 請求入金管理 / 入出庫管理 /
※注1:導入コンサルオプションの組み合わせだとB類型になります。
通常枠(A類型)
通常枠(B類型)※注1
Venus Invoice インボイス制度・電子帳簿保存法対応の電子請求書システム 単体での申請不可
Venus Cloud CORE SFA(営業支援)/ CRM(顧客管理)グループウェア(社内情報共有) / 販売管理 通常枠(A類型)
Venus Cloud LIVE SFA(営業支援)/ CRM(顧客管理)グループウェア(社内情報共有) / 販売管理 通常枠(B類型)
Venus Sign 電子契約システム 単体での申請不可
Venus Invoice 電子請求書システム デジタル化基盤導入類枠
上出来 BEST8 土木施工管理・電子納品・CAD 通常枠(A類型)
ECディレクター ECサイト 通常枠(A類型)
CM-Bridge 原価管理システム 通常枠(A類型)
Cons-FIELD 3D i-Construction3次元点群処理対応 通常枠(A類型)
TS-FIELD for WIN TS出来形対応モバイル計算・観測ツール 通常枠(A類型)
アトラスネクスト 土木積算システム 通常枠(A類型)
ゴールデンリバー
(土木基本)
土木積算システム 通常枠(A類型)

IT導入補助金 申請スケジュール

通常枠
2次締切分 締切日 2023年6月2日(金)17:00(予定)
交付決定日 2023年7月11日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
2次締切分 締切日 2023年5月16日(火)17:00(予定)
交付決定日 2023年6月21日(水)(予定)
事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
3次締切分 締切日 2023年6月2日(金)17:00(予定)
交付決定日 2023年7月11日(火)(予定)
事業実施期間 交付決定~2023年11月30日(木)17:00
事業実績報告期限 2023年11月30日(木)17:00
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
1次締切分 締切日 2023年5月31日(水)17:00
交付決定日 2023年7月上旬予定
事業実施期間 交付決定~2023年12月22日(金)17:00
事業実績報告期限 2023年12月22日(金)17:00
引用:IT導入補助金2023

※上記スケジュールは既に確定している募集回のスケジュールとなります。
※最新のスケジュールは、IT導入補助金2023のホームページでご確認下さい。

IT導入補助金 交付申請の流れ

事前準備

IT導入補助金の交付申請をするにあたり、事前に登録や実施するサービス、必要となるものなどご紹介します。
事前に必要なものの中には、取得まで2週間ほどかかるものもございますので、しっかりと準備をしておきましょう。


gBizIDプライムのアカウント取得

IT導入補助金の交付申請をするにあたり、gBizIDプライムのアカウントが必要となります。
gBizIDプライムをお持ちでない場合は、事前にgBizIDホームページより取得して下さい。
※アカウント発行まで、2週間ほどかかるようですので、ご注意ください


SECURITY ACTIONの宣言

IT導入補助金の交付申請をするにあたり、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかを宣言していることが必要となります。
IT導入補助金の交付申請をする際に必要となる、自己宣言をしたアカウントIDは即時発行が可能ですので、SECURITY ACTIONの宣言がまだの場合は、事前にSECURITY ACTIONホームページでお手続きをして下さい。


みらデジの経営チェックの実施

IT導入補助金の交付申請をするにあたり、中小企業庁が実施している「みらデジ」ポータルサイト内にて、「みらデジ経営チェック」の実施が必要となります。
またこちらの経営チェックは「gBizIDプライム」が必要となりますので、gBizIDプライムのアカウント登録がまだの方は先にgBizIDプライムの取得を行ってください。
gBizIDプライムの登録がお済の場合は、みらデジポータルサイトより経営チェックの実施をお願いします。


必要書類(法人)
  1. 履歴事項全部証明書

    登録申請日から遡って、3か月以内に発行されているものに限る

  2. 法人税の納税証明書(その1またはその2)

    直近分のものに限る

    税務署にて発行されているものに限る

    電子納税証明書の場合は、交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマットのみ有効

交付申請をする際に必要な書類に関しまして、詳しい内容は交付申請の手引きをご確認下さい。

交付申請の流れ


申請手順

2022年度のIT導入補助金の採択率

では最後にIT導入補助金がどのくらい採択されているのかご紹介いたします。
2022年度のIT導入補助金の採択率は以下のようになっております。



通常枠(A類型) 通常枠(B類型) セキュリティ対策推進枠 デジタル化基盤導入枠
申請数 18,678 546 90 13,442
実績 10,391 260 87 10,804
採択率 56% 48% 97% 80%

ご覧の通り、通常枠はどちらも採択率が低く、デジタル化基盤導入枠とセキュリティ対策推進枠は採択率が高いです。
IT導入補助金をご検討中の皆様は、是非参考にしてください。

補助金